長芋など山芋の皮をむいていると、突然、手のかゆみが止まらなくなる事があります。
慌てて水で手を洗っても、益々かゆみがひどくなって「かゆい~、誰かこのかゆみを止めて~!」と緊急事態が発生します。
こんな時は、いくら水道水で洗っても、なかなか痒みは止まりません。かゆくなった時の応急処置の方法と、かゆみの原因、かゆくならない対処法をご紹介します。
長芋や山芋でかゆみを今すぐ止めるには?
必要なものは、「お酢」と「お湯」です。なぜ、「お酢」と「お湯」に効果があるのかと言うと、山芋のかゆみ成分は、「酸」や「熱」に弱いからです。
処置の方法は至って簡単です。
①まず、「水で薄めた少し濃い目のお酢」を、かゆみのある所に付けます。
②「少し熱めのお湯で」やさしく洗い流します。
これで、かゆみは治まってくるでしょう。
この方法を試してみても、一向にかゆみが止まらない時は「効果がない!」と感じるかもしれませんが、何度か繰り返していると、徐々にかゆみは治まってきます。
かゆいからと、ゴシゴシこすると、患部が刺激され、炎症や悪化の原因になりますので、出来るだけやさしく流しましょう。
山芋でかゆみの出る原因はアレルギー?
なぜ、山芋を触るとかゆみがでるのでしょうか?
山芋や里芋などの皮の近くに多く含まれる「シュウ酸カルシウム」と呼ばれる成分がかゆみの正体です。
この「シュウ酸カルシウム」の結晶は、針のように尖ったトゲトゲの形をした「針状結晶」である為、皮をむいたり、とろろにしたりする事で組織が壊れて皮膚を刺激するので触れた場所がチクチクとかゆくなります。
そのため、山芋や里芋に触れてかゆくなるのは、「アレルギー」と言うよりも「シュウ酸カルシウム」の「針状結晶」の刺激によるものと考えられます。
ただ、「長芋」や「自然薯」などの山芋は、アレルギー物質を含む食品の特定原材料に準ずるものとして定められている20品目の中に含まれます。山芋には「アセチルコリン」という成分が含まれています。
この「アセチルコリン」は、人体にアレルギー反応を起こす化学物質の一つです。トマト、なす、ソバ等にも含まれています。
アレルギー症状としては、皮膚や口の中がかゆくなります。また、胃痛や嘔吐を引き起こす事もあり、ひどい場合は、呼吸困難になる事もあります。
特に、子供に多く見られますので、乳幼児や子供に与える場合は注意が必要です。
山芋でかゆみが出ないようにする対処法は?
毎回、山芋や里芋の皮を剥くたび、とろろにするたびに、この不快なかゆみに耐えなければいけないのでしょうか?そうなると、食卓に上る回数も減ってきそうですね。
でも、「安心して下さい!対処方法はあります。」いくつかご紹介しますので、ぜひ、試してみて下さい。
・ 調理用のゴム手袋をつけて、直接触らないようにする。
・ 調理する前に、濃い目の酢水に手を浸しておく。
・ 自然薯のような非常に粘りやアクの強い物は、「土のついたまま」熱湯をかけてから水で洗い、冷ましてから調理するとかゆくなりにくくなります。
ポイントは、熱湯をかける時、かけすぎると食材に火が入ってしまうので、目安は5秒程度です。
・ 里芋の場合は「皮付きのまま」先に5分程ゆでてからすぐ水で冷やした後に皮をむくとかゆくなりません。
・ すりおろす場合は、皮を剥いた後に、一旦、冷凍してからすりおろすか、又は、「酢水」に10分程浸してからおろすのも効果がある
・ 食べる時のかゆみの軽減法は、なるべく口の周りに付かないように食べます。
まとめ
「手がかゆくなる人が食べても大丈夫?」と心配になる方もいらっしゃるでしょう。
アレルギーの場合を除いて、シュウ酸ナトリウムの針状結晶により起るかゆみの場合であれば、食べる時に口の周りに触れないように気を付ければ、お腹の中は、胃酸があるので大丈夫だと言われています。
もちろん体質や体調によりますので、ご自身の状況に合わせて判断して下さいね。
余談ですが、「長芋」「自然薯」「里芋」など、芋の種類によってかゆみの強さも違ってきます。
色が白っぽい物より、黒っぽい物の方が、かゆみはより強いようです。
特に、粘りやアクの多い自然薯や里芋の場合は、先程紹介した熱処理をしてからの調理を参考にしてみて下さい。
とにかく、調理をする時も食べる時も、「かゆみの原因になるべく触らないようにする事」が一番ですね。
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